介護記《食事》part5最終回
今日は七夕ですね。
好きな人と楽しい食事のひとときを持てま
すように♪
では、最終回です。
夕陽を背に逆光ラムです。
網戸越しなので、空に線が入ってしまいました。
part5
サヨさんが我が家に来た当初、母ははりきって、辰巳芳子さんの本とDVDを買い、時間をかけてスープを作ったりしていましたが、見事にサヨさんは食べませんでした。
サヨさんは、固形物が食べたかったのです。
ガックリと肩を落とした母は可哀想でしたが、私もサヨさんの気持ちがよくわかりました。
噛みたいのです。
噛んで味わって、食べていることを実感したいのです。
流動食のみというのは、本当に味気無く、満腹感、満足感もあまり得られません。
よほどの重病人以外は、野菜や白身魚などを柔らかく煮て、噛んで食べてもらうようにした方がいいと思います。
私などは、あまりに長く流動食が続いたため、ストレスがピークに達し、重病人の時でも、ゼーハー呼吸困難になりながら、おにぎりを食べたこともありました。
“死んだってかまわい…!”くらいな気持ちで(笑)
そのくらい、食事って、気分に影響しますよね。
私の場合は、回復のために、食事療法をして食べるものを制限していましたが、サヨさんの場合は、もうあと数年と、先が見えていましたので、とにかく好きなものを食べて、満足感、幸福感を持ってもらうことに重点を置きました。
サヨさんは、なんでもよく食べましたが、特に好きだったのは、おいなりさん、かんぴょう巻き、アイスクリームでした。
アイスクリームは、痛みを誤魔化す“薬”としても活躍しました。
最期が病院になって、好きなものを食べられなかったことが、可哀想ではありましたが、サヨさんのアイスクリームを食べた時の、“おいしい~”と言って、にっこり笑った幸福そうな顔が目に焼き付いています。
寝たきりの方にとって、1日の楽しみは食事だけという方も多いと思います。
できるだけ、楽しく、美味しく食べてもらえるといいなあと願っています。
長いことお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
みなさまのお役に立てますように♪
おしまい
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