介護記《季節》part1
祖母のことです。
サヨさんについての簡単な説明は
こちらをどうぞご覧ください。
寝たきりでいたり、脚が不自由で外出がままならない人の大きな楽しみの一つは 、窓から見える季節の移り変わりです。
特に寝たきりでいますと、窓の景色から変化を感じるしかありません。
部屋の中は、誰かが模様替えをしてくれない限りは ずっと同じなのです。
同じ天井 、同じ壁…動きのない同じものだけに囲まれていると 人間誰しも飽きてきます。
唯一 、毎日変化のある窓からの眺めが、心の楽しみとなり、自然からの学びの場ともなります。
もちろん テレビという情報源もありますが、体力がない時は視力も落ちているので 、目まぐるしく変わるテレビはとても疲れるのです。
~~~~
母は、サヨさんを介護したときも、私を看護してくれた時も、季節をマメに体感させてくれました。
サヨさんが まだ施設にいる時は、見舞いに行くたびに車椅子に乗せて、散歩に連れ出し日向ぼっこをさせていました。
桜の季節には 近くの女子大学にお邪魔させて頂き 、満開の桜を楽しみました。
つくしや すみれを摘んで見せたり 、秋には落ち葉をひろって膝の上に乗せ触らせたり、いつも季節 をサヨさんに届けていました。
食べ物でも、お彼岸にはぼた餅を、夏にはうなぎや アイスクリーム、秋には柿、お正月にはおせちと、その季節らしい食べ物 と話題を差し入れていました。
さよさんは季節に無頓着になっていて 、(認知症のため)月日も分からなくなっていましたが、花や、食べ物や、季節の行事をネタに話すことで、昔の事を思い出して喜んでいました。これは認知症治療にもとても良かったのではないかと思っています。
~~~~
私の場合、寝返りもままならない 寝たきり生活を長くしておりましたので 、本当に窓から見える景色だけが、外界との繋がりでした。
しかも、目が開かなくなることが度々あって、見えたとしても、明るさで目がくらむので、わずか20センチほど障子をあけて、窓の外を覗き見るような感じでした。
幅20センチの窓から見える景色というのは、なかなか面白いもので、鳥達はビュン!と、一瞬で通過して行くのです。
しかも寝ながら見ているので、鳥のお腹ばかりを見ていました。
雀や鳩などが電線に留まって、20センチの間に ぴたっと収まってくれていると、妙な縁を感じて 親近感が湧きます。
ずっと見続けているので、ハプニング映像(鳩が電線から足を踏みはずして ズッコケたり)にも出会えます。
季節によって現れる鳥達が変わりますし 、同じ鳥でも 登場時刻が違ったりします。
春には桜の花びら、 夏にはミツバチ 、秋にはトンボ 、冬の枯れ葉などが窓を通過して行き、束の間の話し相手にもなってくれました。
本当に自然は季節を通して楽しませてくれましたが、寝たきりですと限界があり 、窓から見える自然しかわかりません。
その限界のフォローをしてくれたのが、母です。
《part2へつづく》
お読みいただきありがとうございました!
ラブ~♪
…。…。…。…。…。
★minneさんで作品を展示販売しています。
見に来てくださいね。
↓フェイクファーと淡水パールのピアス
★2015年4月に個展『心に咲く花』をしました。
にほんブログ村
にほんブログ村
ありがとう!ありがとう!(*^▽^)/★*☆♪
May peace prevail on earth